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浅間明日美 「バラ」

昔は子供の着物に親が刺繍を施すという行為がありました。
これは刺繍が子供を守ると信じられていたからで、大人の着物に比べて刺繍が少ない子供の着物にお守りのように縫ってあげるものでした。
そのような力が縫うという行為には宿っていると私も思います。
私が絵の具から刺繍という手法に転換したのも子育てを機にしてでした。
バラの花びらは小さいビーズを接着剤などで貼り付けず、一つ一つ縫いつけています。
私自身、とても辛くて立ち直れなかった時期に道に咲く花になんども救われたことがあります。
ふう〜っと凝り固まった気持ちに花が入ってきてくれるのです。 その時に自分が体験した気持ちを忘れないように、またそのように観る方も心地よい気持ちになってもらえたらという思いもあり、花の細胞を再現するように一つ一つ縫って制作しています。

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