蝶は蛾になりたいと思っていないだろうが、蛾もまた蝶になりたいとは思っていないだろう。
それは昨年のこと。
とある一枚の蛾の絵に「おぉぉぉ」。
美術は理屈ではなくて好きか嫌いか、などと言ったりするが、それは まさに正解のように思う。
小心者の私はすぐに その作家に声をかけれず、一旦モジモジしながらその場を離れ、
さも今来たかのように二度目に蛾の絵を見に戻った訳である。
その時は蝶とばかり思っていたが、後で聞いたら蛾ですやん。もっと気に入る。
誰しもが美しいと言うであろう蝶でなく、蛾が主役であることが既に 私のような人間には涙ぐましく。
美を見たり なのです。
作家は、柳 哲也さん。
もちろん、蝶や蛾以外の作品も多く描かれており、むしろ蛾以外の方が多いと思われる。
動物や植物や人物、その他、どれも面白さがのぞく。
にも関わらず、蛾に焦点をあてて展覧会しようなどという柳さんの心意気に燃える。うぉぉぉ。
タイトルは、こじゃれた横文字ではなく「ガツンと日本語でやってやりましょうよっ!」という
誰への挑戦状か意味不明な私の問いかけにも快く受けてくださり、
おまけに縦書き、すんばらしい。
7月4日から始まる「蛾は蝶になりたいと思っていないだろうが 蛾もまた蝶になりたいとは思っていないだろう」
何だか、とても贅沢な企画になりそうな予感。
下の方の茶色に黒丸が特徴的なこいつ、小学生の時 実家の玄関のところをいつもバタバタ飛んでたやつ!
追い払っても、次の日には居る。
こんなとこにおったか。
帰り際に3度目のチラ見をしたことは言うまでもない。
柳 哲也の「蝶は蛾になりたいと思っていないだろうが、蛾もまた蝶になりたいとは思っていないだろう」
2017年7月4日(火)~16日(日)
11:00~18:00(最終日~16:00) 月曜日休廊
4日、16日 作家在廊