最初はこんな感じだった蝶と蛾も、会期中に随分と増えました。
白い粉を振りまきながらバタバタと飛んでいるイメージの実物の蛾は
決して好きな訳ではないけれど、
柳さんが描く ぶれない蛾の姿は、どういう訳か こちらを昇華させてくれるような心地よさがある。
壁一面の蝶と蛾のドローイングを見ながら自分の好きなものを順番に選んでみる。
そうすると何故か蛾ばかりを選んでしまう。
一般的に美しいとされる蝶への対抗心からか(笑) 自分は蛾擁護派と気付く。
主に油彩を使ったミクストメディアで描かれた作品のほとんどは蛾である。
蛾率99%の画廊内、ここまで蛾を揃えたら さすがに気持ち悪くなるかと思いきや
意外にも穏やかな空気感が漂っている。
それは蛾に限らず柳さんが描く絵に共通するものかもしれない。
素朴というには言葉足らずであるが、余計な小細工をせず
子どもがためらいなく好きなものを描くように
描くことのために描くという実に自身に正直なプロセスが
柳さんの強みのひとつではないかと私は思っている。
そこが最大の魅力でもある。
残すところ、あと2日。
作家在廊予定です、是非お越しください。