「DOTS 2018」
今回のメンバー最年少は、高校1年生の東條新 君。
それは、昨年のASADAさんの企画展の時のこと・・
外から作品を食い入るように見つめる学生服の少年の姿。
通学中に「いつも変なモノが置いてある所だな」とずっと思っていたらしいです、笑。
それが、東條くんでした。
個人的には彼のこの作品は、将来の大物ぶりをうかがわせるなとも感じていますが、
何より未熟さも含め、今でしか描けない作品でしょう。
小学生の頃から描き続けているというエスキースや新聞が
大量の資料として現在進行形で作られています。
ギャラリーでは、その一部をご覧いただけます。
同じく昨年Puntoに訪ねて来られた あやか さん。
彼女は、2007年から難波の路上で絵を売り始め、6年前に大阪で初個展を開催。
和紙に丸ペンと墨で絵を描いています。
絵の中のウーパールーパーは、感情や感覚、天使のようなものなど
形のない存在の仮の姿です。
あやかさんのポートフォリオもギャラリーでご覧いただけます。
「知情のもつれ」
いいことも悪いことも
本当も妄想も
どんどんこんがらがって
最終的に嫌な気持ちが残っていく
考えすぎるのはよくない
「痴情のもつれ」
そうじゃないのをわかっているのに
もしかして
本当は
そんな妄想がどんどん溢れてきて
相手の顔が見えなくなっていく
*
こうやって沢山の若手の皆さんの作品を同時に展示すると、その作風も実に様々です。
でも共通することもあって、それは
いくら同じアーティストでも、その時々にしか描けない(作れない)絵というのがあるのだと思っています。
少し先の未来でも描ける絵ではなくて、今でないと描けない絵。
以前も描けた絵ではなくて、経験値が上がった今だからこそ描ける絵。
正確には昔の絵を同じように描こうとしても描けませんが。
今という瞬間を描き切った絵には、
その時の廃れない命の伸びやかさがあるような気がしてなりません。
特に若い時期は過ぎてみればあっという間で(しみじみ)
DOTSの皆さんには、思い込みの型は放り投げて、
今しかできない表現を思い切ってして欲しいと思います。
そして、ギャラリーに訪れた人にも出会うタイミングや求めている価値観というものがあり、
更には眼力や説明のつかない各個人の美意識でもって世界に一点しかない作品が
相応しい人の元へ届いていくという・・
すごいことですね。