池田晶一の「一本の波線から生じる形」、始まりました。
初日の昨日は夕方からオープン、池田さんを迎えてのアーティストトークを開催。
スライドを交えてお話していただきました。
窯詰めの写真では、隣に奈良美智の作品も一緒に。
池田さんの作品は一貫性を持ちながらも変化し続けています。
今展では、特に光の効果が顕著に表れているように感じます。
白い丸に見えるのは、波線が構成する凹凸によって生じた光の形。
こちらが動く度に光の形は刻々と変化し、作品の上を自由自在に動く生命体のようにも思えてきます。
あまりの完成度の高さに、手仕事と思えぬほど。
緻密な計算や経験に基づいているであろう仕事ですが、
計算通り比例しない陶という素材に対峙し、プライドとも言うべきオリジナルの技術が、
池田さんの表現を現実のものにしている。
そして、作家自身が全ての制作工程を公開している事に驚く。
つまりは、マネしようにも易々とマネできない。
仮に似たモノができても、それは同じ作品にはなり得ないだろう。
それが芸術なのだ。
池田さんは、これまでも何度となく企画させていただいているが、
いつも、そして今回も「Puntoで展覧会をする時は、自分の新しい挑戦を出さないと」と言ってくださる。
Puntoに照準を合わせて本腰を入れて制作してくださる。
ここが初めての発表となる作品ばかりである。
小品も決して手を抜かない。
画廊冥利に尽きる。
どんなに形を変えても、ギャラリーの本質は決して見失わないでいたいと誓う。