「DOTS 2019」3日目。

本日から、ランダムに出品作家をご紹介していきたいと思います。

椎名 寛 「加古川」

今回の公募展、実は椎名さんが一番最初に応募していただいた作家です。

募集締め切りは昨年11月末日だったのですが、

たいていの場合 締切期日の少し前に応募される方が多い訳です。

そんな中、募集を始めてすぐにエントリーした方が椎名さんでした。

DOTSの特典のひとつに、シード権を重ねることで企画展の開催権が得られる という事があります。

既に応募以前に、椎名さんは今年6月にPuntoでの個展が決まっていました。

あえて応募する姿勢に、DOTS に対する我々企画側のモチベーションが

更にググッと上がったことは言うまでもありません。

単なる特典だけでないPuntoの根幹を感じていただいたのでは と。

椎名さんが描いているPuntoのすぐ近くの風景。

そう白い壁に赤い屋根の”ふらいぱん”という名のお店。

作家同様、ここに移転した当時は私も目印のように見えていたものです。

 

椎名さん!皆さん!

ここで重大なお知らせがあります!

”ふらいぱん” もうありません。

何と昨年末に”ふらいぱん”は取り壊され、現在は新たな建物が建設中。

一枚の絵画から様々なことが見て取れる。

今となってはとても貴重な絵になりました。

もしやの潜在意識のどこかでこの場所を選んでいたのだとしたら、

椎名さん、次にお会いした時は手相を見てください。

向いている職業と、恋愛運を是非。

来月の東京での椎名さんの展覧会にも、ぜひ足をお運びください。

 

プントさんへ私が初めてお邪魔したのは2018年堀井一仁さんの個展の時です。

当時堀井さんは88歳

絵が描ける歌が歌える自由がある。

それが戦争が終わって本当に良かったことだと仰られていたことを覚えています。

さて今回私が描いたのはプントさんとは目と鼻の先にある喫茶店ふらいぱんのある交差点の風景です。

初めてプントさんへお邪魔した日、まだ時間が早かったので先に加古川の千代の湯さんへお邪魔しました。風呂と食事を済ませそこからプントさんへ向かうわけですが、何せ初めての土地ですので見るもの全て新鮮に見えます。地図を見て信号を数えながら道を探し看板やポスターに目を留めながらプントさんを目指すわけです。

そんな中で現れたのがこの絵の風景です。

私と同じ様に駅から歩いてこられた方はこの道を通ってこられた方もいるのではないでしょうか。

ふらいぱんが見えたということはその先にギャラリーがある。

もしその様な心持ちでここまで来られたのなら私も同じ気持ちです。  椎名 寛

 

もう一人、同じく今年の4月にPuntoでの個展が決まっていたのがMIWAELさんです。

MIWAELさんがDOTSという公募展を知ったのは、締切間際でした。

聞いた瞬間に即決された意志と、画廊への敬意を忘れない、

表現者としてのプライドを感じた瞬間でもありました。

Andy」 MIWAEL

The Celestial Lighted Banana 1」 MIWAEL

To the paradise tonight」 MIWAEL

3枚に共通するバナナのモチーフ、

黄色とショッキングピンク、そして黒のコントラストから構成された画面。

画面の端々から、皆さんはどのようなものを感じるでしょうか。

また、過去にはこんな作品も発表されています。

「Biological father and Foster father」

 

その名前や画面から、作家は日本人なのか外国人なのか?

はたまた男性なのか女性なのか?

惑わされるお客様が多いようですが

今はぼんやりしておくことにしましょう。

間違いなく言えることは、最初にお会いした時から

とても興味を感じざるを得ないような魅力的な方です。

そうか、椎名さんの手相でもってMIWAELさんの魅力をまとえば、

私も2年後くらいはDOTS に選出される気がしてきた。

ガンバリマス。

 

今回の出展作はアクリル絵の具で描き上げた作品です。

わたしの絵画プロトコルはとても語りつくせるものではないのですが、まず最初に創作の情熱を掻き立ててくれる身の回りの親密な事物やシリアスな内容を視覚的なメモとして記憶に残すところから始まります。

そしてそれらの断片を組み合わせて一画面に異質な世界を取り込みます。

さらにちょっとしたユーモアや矛盾を用いて物語を紡いで行きます。

そうすることでゼロだった画面に次第に説明がつくようになっていきます。

作者と絵の世界との秘密の結びつきを感じていただければ幸いです。  MIWAEL

galeria-punto