「DOTS 2020」
朝からシトシトと雨模様、しばらくは梅雨のように続くそうです。
DOTSはまだまだ会期前半、注目していきたいと思います。
魔可さんが独走する中、今後を左右するのはこの人にかかっているのではないでしょうか。
現在2位を走る6人目のシード作家、椎名 寛。
前回は加古川を舞台に椎名さんらしいタッチのこの作品で参加。
私はきっと今回もらしい作品が来るのではないかと思っていたところ、
意外にも、抽象表現の作品が送られてきた。
「イノックアーデン」
20世紀多くの大巨匠が世界の価値観や常識を変えてきました。
行き着くところまで行き着いてしまった感のある絵画表現 その行き着いた先、
ゼロからまた新たな生命を生むことができるのか。
近寄って見ると、複雑な色味が重なり合っている。
これは私の勝手な想像ですが、
きっと椎名ファンは”らしい”人物や風景を期待している?ところもあるように思え、
その中で、あえてこの作品で勝負してきた椎名さんのDOTSへの意志に嬉しかったりもする訳です。
ランドセルの少年の心にはどう映るのか?
さてさて、椎名さんの抽象の行方は如何に。
ご本人がどこかで漏らしていた「イノックアーデン」のヒントを、これまた勝手に拝借。
作品タイトルは、
バスフルート奏者渡瀬英彦さんの朗読ライブで聞いた
イギリスのビクトリア朝時代の詩人アルフレッド.テニスン作、
「イノック アーデン」
からつけました。
この日のライブとても良かったな。
作品のあらすじも載せておきます。
語りとピアノとが合わさって小さな劇場に大スクリーンが現れたようなあの日の感動が蘇ります。
幼馴染のアニーと幸せな結婚をした勇敢な船乗りイノック アーデン。ある時、そんな彼に災難が降りかかります。家族の為、東印度に貿易の航海に出たイノックにさらなる不幸が。必死の思いで帰り着いた故郷で彼を待ち受けていたものとは?
切ない物語に添えられたリヒャルト.シュトラウスのメロウな音楽が涙を誘います。
「イノック アーデン」A.テニスン作 R.シュトラウス音楽
出演 渡瀬英彦 (朗読) 清水純子 (piano)
阿佐ヶ谷ふくろうスタジオ