いつもハッピーでいられたらいいのに。
自分のことなのに自分にもコントロールできないことがある。
不思議に感じていたある日、菌類の話を聞いた。
世界中に一番たくさん存在していること。
ほとんど目につかないけれど、少なからずこの世界に影響を与えていること。
一人の人間にも、世界の総人口よりたくさんの菌類が棲み、
ヒトの嗜好や性質に影響を与えていること。
表面には現れないものこそ、重要な意味を持っているのだろう。
子供の時、私の格好はいつも男の子みたいだった。
スカートよりズボン、リカちゃんよりウルトラマン、
髪は短いし、ピンクよりブルーが好きだった。
けれど中身は泣き虫で恥ずかしがり屋、
中身と外見のギャップがもどかしかった。
そんなことが、彫刻をつくる根っこにある。
そこに物が在るだけで、外側と内側ができてしまう彫刻は、
私が考え事をするのに合っていた。
表層の出来事とその内側、境目はいつも曖昧で
せめぎ合っているように私は感じられる。
彫刻の形を探り、決めていく感覚と、
運動するとき、無我夢中で体を動かす感覚はとても似ている。