久々の「版画展」が始まりました。
と同時に、再び寒の戻り。
今展では4名の作家の版画を展示しています。
中でも一番多く展示しているのが、小林裕児。
小林裕児さんは、Puntoでも何度か個展していただいた作家。
新人画家の登竜門とされる安井賞を1995年に受賞。
油彩やテンペラを用い、その人物描写が印象に残るタブローや立体作品。
一度見ると小林裕児さんの人物像は忘れ得ない。
近年、小林さんは次のようにも語っている。
「私が造りだしたものをあらためてふり返ってみますとほとんど全ての作品が
人に対する興味と感心から発想され、表題的な構想の下に制作されています。
常に人間の「生」に対する葛藤のドラマを描いてきました。」
以前Puntoでは、こんな感じで展示していました。
この時の大作は「マッチ売りの少女」
等身大ほどの少女が描かれています。
こちらの店舗はこんな感じ。
懐かしい。。
現在のGaleria Puntoは、まだ改装途中。
目指すところもまだまだではありますが、
一番最初の点 ― 出発は本当にアングラな小さい洞穴のような空間でした ―
私は、未だに ここが一番Puntoらしい気がしてなりません。
ギャラリーのお手本にはなれなくても、
原点の精神を受け継いだPuntoであり続けたいと
小林裕児さんの版画を見つつ思いをはせたのでした。
作家自身が版画について語られている言葉を思い出します。
「版画制作は様々なプロセスに分解されているせいか、絶対に眠くならない」(笑)
という意味合いの文言があったような記憶。
今展では、版画独自の表現を味わっていただけたらと思います。