焼き物でたぬきと言えば、そう、これ。
信楽のたぬき。
縁起物で、お家の玄関なんかに見ましたね。
こちら、北井のたぬき。
パロディーではありません。
ぜひ、一家に一たぬき。
北井のたぬき、若干個性がありますので、お買い求めの際は 性格を知って可愛がってください。
たぬ恵は、パックをしながらのラインが日課。
後頭部はトラ。お肌を気にしてビタミン剤を飲用するも、後ろに隠したお菓子はやめられません。
コラ、たぬ子!ブラジャー外れてる。
たぬ子は、可愛いんですが ちょっとだらしないです。
パンツの中のタバコ見えとるぞ。
君はたぬきなんだから、猫耳カチューシャ付けんでよろしい。
かぎっ子の子たぬき、乳首に絆創膏。
BCGワクチン済、良かった。
他にも、サラリーマンや工事現場で汗するたぬきたち。
北井さんの作品は、現代のありのままの姿を九谷焼に投影している。それは絵付けの手法で、彼女というフィルターを通して表現されているのだが、現代を悲観も楽観もせずに しかしながら楽しい時代に向かうことへの願いが込められているのが伝わってくる。
物や情報が溢れる時代に、私たちは何を選択しているだろうか?必要あれば、インターネットで簡単に安くて良いとされているモノが手に入る。また、断捨離によってモノを手放した人も多いかもしれない。時に思うのは、健康志向がうたわれ食に対する我々の目線は以前より遥かに向上したかもしれない。では、他に目を向けてみる。忙しい日々の中で、何を選んで人生という時間を費やしているだろう。
「戦争中 絶望を覚えた兵士が生き延びる支えとなったのは、窓から見える絵画のような月と時折奏でた音楽だった」という実話がある。美術も音楽も演劇も小説も映像もない世界で、果たして生きていくことはできるだろうか。むしろ、美味しい食べ物がいくら豊富にあっても美やメロディや物語が存在しなければ、私たちの人生は殺伐としていくに違いない。
芸術が、一部の芸術家のための芸術であるという概念を捨て、子どもが可愛いものを指さすように、作品を見てみる。人生に感動を与え、我々を豊かにしてくれる より創造力のあるアートの価値観をGaleria Puntoの「点から線へ」で発信していきたい。