「施美時間」は、境内を散策しながら作品に触れることができる。
本堂及常行堂の周りに、今井杏奈さんの平面作品。
かなりの大きさがある作品も、本堂にかけるとこの通り。
作品の前には「ユルグル-図鑑」なるものが置かれている。
”ユルグル-”とは、今井さんが作り上げた不思議な生き物たち。
この大作はキャンバスに描かれており、偶然のような必然で出来上がった複雑な形状をしている。
そして、大きなその画面の中に彼女独特の情景を見つけては描き加えていく。
この作業を繰り返すことで、作品の全体像が浮かび上がってくる。
作家自身もどんな作品が出来上がるのか分からない、といった具合に。
作品の中にいる生き物たちを集めたのが、この図鑑。
大きいものでは100以上のユルグル-が存在する。
廊下に上がり、図鑑片手に絵から離れない子どもたちは、
次々に図鑑にはいない生き物も発見しているようだ。
大人も負けてはいられない。
この日は、今井さんの作品をバックに、境内で絵を描く人をたくさん見つけた。
私も仲間に入りたい気分にそそられる。
また、今井さんの立体作品は旧宝物館にも展示されている。
風に吹かれながら、作品を鑑賞できるのは野外展示の魅力のひとつかもしれません。