開催中の今井杏奈の「いきものたち」。
今回がギャラリーでの初個展となる今井さんは、元々立体造形を専門としており、
これまで屋内外の公共施設をはじめ、Puntoを母体とするアート・プログラムの企画にも
参加いただいたことのある若手作家の一人。
彼女が立体と共に取り組んでいるのが”ユルグルー”と名付けた不思議ないきものたちである。
それは、絵具に加え、植物や食品など自然由来の色素を思うままに画面に垂らすことから始まる。
無造作に流れたり散ったりした色や形を基に、そこから想像する独自のいきもちたちを
次々と生み出していく。それは五感をフルに働かせて
既にカメレオンのように隠れているユルグルーを見つけ書き起こしていくようなものなのだろうか。
意図的でなく流れた線は手足や尾っぽとなり、柔らかく伸びやかに走る。
まだまだ伸びしろのある表現方法であろう。
作品には「ユルグルー図鑑」が添えられていて、
絵の中に生息するいきものたちが解説されている。
例えばこんな感じで。
自分で見つけたいきものがどんな性質を持っているのか、
作家の目線はどんな所にあるのか、
図鑑を手に取って見なおすのも楽しい。
絵に隠れたユルグルーの他にも、個性的ないきものがお待ちしています。