本日より始まりました、野村直城の「miracle」。
野村さんとは、かれこれ いつの間にか長いお付き合いになります。
制作活動・作品発表は徹底していて、頻繁には行わない個展に合わせ足を運ばないと
なかなか作品を目にできず手に入れることもできない。
昨年は年間を通して作品を公開しなかったという野村さんの、今回はPuntoでの3年ぶりの個展。
加古川の地に移転した現在のPuntoのオープニング作家でもあります。
しばらくぶりに会った野村さんは劣化ゼロで、相変わらずカッコイイ青年でした。
例えるなら、例えることを求められてもいませんが、
①子どもの家庭教師にしたい、と世の母が思うタイプとでも言いましょうか、
②知らぬところでファンができていそうな とでも言いましょうか、
①≦②
こちら「えびぞりさん」と「えびまげさん」。
今や彼の不動のモチーフになった感のあるエビフライを乗せた2体。
エビフリャーの過去作と比べ、媚びない潔さが際立っています。
確かに、えびまげ子さんにモテようなんて気配は微塵もなく。
私は作品に向かう時、まず じーっとその作品を眺めます。
そうすることで、作品から受けるものがあるのですが、
なかなか正面からの長時間の直視は精神力勝負です。
何しろ、この複眼に猫ヒゲ。
何とも違和感のあるバランス。
「えびぞりさん」
側頭部の茶色い丸、この感じ。
若干の膨らみと艶。
そう、この感じ。
関西人の皆さま、関西出身の全国の皆さま。
そうです!
うぐいすボーール!!!
を、イメージしたとかしなかったとか?
しかも鶯ボールの工場が加古川にあったとは。
初日は、野村さんとお客さまと一緒に一袋たいらげました。
いきなりパンチの強い作品から紹介しましたが、
野村さんの素晴らしさのひとつは、作家自身が真面目に楽しむところから始まっている。
自分の好きをとことん突き詰めた先に見えてくる、どこか冗談めいたビジュアルを
本気で具現化するところに、確かな技術と豊かな感性が見てとれる。
他にも心つかまれる作品の数々、手頃な小品も展示しています。
きっと気に入る住人が見つかるはず。
是非、足を運んで野村ワールドをご覧いただければと思います。