焼き物の原点の「土」と「炎」。阿曽藍人の作品は、まさにその体現だ。
手の込んだ釉薬や焼成方法は使われない。
炎で変化する土の表情、多様な色。その美しさを探し出そうとしている。
メキシコのバロ・ネグロのような、磨き上げた漆黒から、
夕空のようなたなびく茜が現れる、土と炎の絵画。
コントロールするのではなく、温かく見守る。
その彼の愛に、土も炎も応えてくれているのが、彼の作品なのだ。
松崎尭子 インディペンデント・キュレーター(パリ / フランス)
「点から線へ」3人目、阿曽藍人の「touch the earth」が始まりました。
その名の通り、地球(地面)に直に触れる行為そのものが作品になったような印象を持つ。
四角や丸、土は様々な姿をしている。
土にふれ、一日を生きるという繰り返しのなかで、心に浮かぶあいまいなものを見つめ続けるしかない。
うまくいけば、土であり、やきものであり、わたしであるという状態にいける。
阿曽藍人