今年の「施美時間」も、普段は立ち入ることのできない塔頭 浄心院を開放していただいています。まぶしい程の日差しが照りつけ、お庭の木々も色濃く見えます。その園庭でインスタレーションを行うのは、美術家 山村幸則。
「染まる空間」
これは、非常に大きな甕(かめ)。
底を囲むように縄が巻かれています。
この縄を辿ってお庭を進んでみましょう。
そうすると、お部屋からも望める中庭の甕に辿りつきます。
そこからまた、縄を辿ってみます。
今度は、お部屋の中の甕まで辿りつきます。
これらの甕は、元々は地面に埋められていたものということ。
外庭の甕には水が半分、中庭の甕にはいっぱいの水、お部屋の甕は空っぽです。
「染まる空間」
その昔、明治時代の中頃まで、この辺りいは綿を紡ぐ人々や、紺屋(こうや)と呼ばれる染物屋さんが居られたそうです。鶴林寺先代のご住職は当時、檀家さんでもあった紺屋(染物屋さん)の廃業に伴い、甕を譲り受けられました。ここ浄心院の片隅にて静かな時を過ごしてきた甕。今回、私はご住職から三甕を拝借し、皆様にご覧頂けるように致しました。 山村幸則
また、会場では山村さんの作品集「from hand to hand」もご覧いただけます。山村さんのこれまでの活動の断片が見れる この本は、実に興味深い内容になっています。と共に、山村さんの表現は作家自身の人となりをなくしてはあり得ないのではないか とも感じます。どうぞ、併せてご覧ください。
本日のキューブ。
いよいよ、積み木の様相を呈してきました。
皆さん、塔のてっぺんにチャレンジです。