空は秋晴れ。
こんな日は、屋外の空気を楽しみつつ境内を散歩。
鳥居にも似た形の赤が目に飛び込んできます。
大角雄三の結。
身をかがめながら歩いてゆくと、
板と石の上には、赤い蝉の脱け殻。
少し離れた場所にそっとある、赤くない脱け殻は、
作品でしょうか?それとも、偶然そこにあったものでしょうか?
突き当りまで行くと、また来た道を戻ります。
本堂を前に、作品がフレームのようになり作品が切り取られます。
見事に額装されたのは、今井杏奈の生物。
結 ―ユワエ―
この場所は少し前までは、鶴林寺の参道でした。
その場所にひそむ潜在的な魅力をひきだす赤い線を引きます。
この結界ともいえる赤い設えから望む風景は、はるか向こうにみえる公園につながるのか、はたまた別世界の入口なのか。
身の回りにある材料を使いながらも、人はその物体にすがり、救いの光をなんとか見いだそうと最低限の囲いをこしらえる行為は、生きる行為そのものです。
建築家が想像する空間とは「見えない空間」です。
その見えない空間と人とを結ぶ。
そんなことが建築には可能なのです。 大角雄三
真ん中がタワーのようになった、本日のキューブ。