快晴の今日。
特別に公開いただいている塔頭、浄心院へ向かいます。
入るとすぐの廊下。
役重佳廣の陶。
布で巻かれた、痩せ細った表情のない子ども。
果たして命さえも如何。
あなたは、どう感じますか?
頭の上には短いロウソク。
更に奥に進むと、暗い部屋の中が見えます。
中央の椅子に近づくと・・
座面に張られた水が振動で波打ち始め・・
畳に映る水面までもが揺らいで見えます。
「繋がれた記憶」
「世界はグローバルな時代」と唱える人が多いが、いまだに共通認識を持てないでいる。逆にその様な思考に反発する人間が世界中で増え、問題を抱えている。
人類は長い時間をかけ、それぞれの環境に適した習慣・宗教・文化を創り出し、数多くの人種・民族が、さまざまな生活をおくる様になった。
しかし”今”世界のいたる所で、一つの価値観で是非を決めようとしているように思える。
私は、一つの方向性で理解することより、身近な習慣・文化を探り、それぞれが”永い血縁”の流れの中に存在すること、さまざまなローカルな価値観の繋がりで形造られていることを認識すべきだと思う。
そうすることで初めて、多文化を尊重し理解することが出来るのだと思う。
今回の展示は、古いイスを使用することで、自分の中に記憶された”繋がれた永い血縁”を意識し、偲ぶことで自分自身の成り立ちを見つめ直し、”数多くの存在”を考え、祈りの空間になれれば良いと思う。 役重佳廣
更に横を向くと、乳児をかたどった作品。
一見、貫入にも見える表面。
実は、卵の殻で出来ています。
役重さんの祈りの空間を是非味わってください。
最後は、本日のキューブ。
おやおや、少し見ぬうちにずいぶん形が変わりました。