鶴林寺の国宝のひとつ、本堂の壁に思い切り広げてみました。
本日は、若手作家2名をご紹介します。
まずは、今井杏奈。
キャンバスのような布と立体作品。
いずれも、どこぞにいるかもしれなさそうな生き物。
巨大な画面は、最初に布を切り刻んで異なる形に組み直し縫い合わせたものに、更に白で着色がなされています。ゴワゴワとした独特の質感は、この下地作業から生まれたもののようです。
また、今井さんの小品は講堂でもご覧になれます。
「赤」がテーマの今展。彼女が用いたのは、赤いシソの葉。
茶色や緑に見えるのは、シソの葉の液体の酸化現象。
自然のままに広がったり流れたりした形の上に、今井流の生物たちが現れます。
同じく、講堂には もう一人の若手作家 MARIKO。
Melanie & Soline
MOHAMED
Eriko
Sarah
パリ在住のイラストレーターで、時代のファッションやモードを切り取り、香りのある作品を得意とする彼女ですが、今展では和紙に墨・岩絵具・顔彩を用いて新たな試みをしています。幼い頃に震災を経験し、日本人の感性の原点でもある自然と人間の調和が、制作のテーマとなっています。
今展では、身近な人をモデルに各々の赤を模索しています。
「人を描くのが好き」というMARIKOさん。
作品への思いが真っ直ぐで、彼女自身がとてもチャーミング。
今後が楽しみな作家の一人です。
「施美時間」最終日の24日(土)の19:00から、Galeria PuntoにてMARIKOによるアーティストトーク「Color & Peace -私たち日本人が世界の平和のためにできること-」を開催します。フランスで日本文化教師としても活動するMARIKOさんの経験談などを交えながら語ります。
クロージングには、他にも「施美時間」のあの作家この作家 が来場。また、一般からどなたでも来場いただくことができます。その後の「施美時間」をどうぞお楽しみください。